小田原箱根商工会議所メールマガジンより転載「開かれたものづくり工房FabLab(ファブラボ)」 ― 2022年03月04日 14:12
小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.431に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
神奈川大学がみなとみらいキャンパスを開設したのを契機に、もともと平塚に有った施設も統合し、「FabLabみなとみらい1)」をオープンさせました。オープンなイノベーションや産学連携などの起点として、改めて注目されています。「FabLab」という言葉を初めて目にされる方もいと思います。ここで、ご紹介させて頂こうと思います。
FabLabは、開かれたものづくり工房です。デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、個人による自由なものづくりの可能性を拡げる、全世界的なネットワークです。2002年MITのニール・ガーシェンフェルド教授が提唱した理念をルーツに持ちます2)。FabLabには、レーザーカッター、CNCルーター、ミリングマシン、3Dプリンター、電子工作ツールなどが設備されていて、無料あるいは非常に安価で利用できます。工業製品の簡単なプロトタイピングを行うに、まさに相応しい場になっています。
FabLabは、実は、神奈川県内にもいくつも有ります。横浜の関内3)、鎌倉4)、試験的運用中のβ版として、海老名5)、長津田6)にも有ります。ここで特にご紹介しておきたいのが、FabLab海老名βです。このFabLab海老名βは、県の公設試験場である(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)内に設置されています。ここは、先ほどのFabLabみなとみらいと同じように、「学」として東京工業大学や横浜国立大学も、協力しています。まさに産学官連携の拠点として期待されます。
ラピッドプロトタイピングを目指して自社内での3Dプリンターを設備したものの、宝の持ち腐れになっている例も散見します。ラピッドプロトタイピングにこのFabLabを用いる、或いは、お客さんにFabLabでプロトタイピングして貰い、量産は自社に誘導する、等々の利用の仕方も有るのではないかと思います。
参考
1) FabLabみなとみらい(神奈川大学):https://www.kanagawa-u.ac.jp/cooperation/project/fablab/
2) FabLab Japan Network:http://fablabjapan.org/
3) FabLab関内:https://fablab-kannai.org/
4) FabLab鎌倉:https://www.fablabkamakura.com/
5) Fablab海老名β ver.KISTEC:https://fablab-ebina.com/
6) FabLab長津田β:http://fablabnagatuta.com/
(小田原コンサルティンググループ 山本亮一)
-----------以下、寄稿内容
神奈川大学がみなとみらいキャンパスを開設したのを契機に、もともと平塚に有った施設も統合し、「FabLabみなとみらい1)」をオープンさせました。オープンなイノベーションや産学連携などの起点として、改めて注目されています。「FabLab」という言葉を初めて目にされる方もいと思います。ここで、ご紹介させて頂こうと思います。
FabLabは、開かれたものづくり工房です。デジタルからアナログまでの多様な工作機械を備えた、個人による自由なものづくりの可能性を拡げる、全世界的なネットワークです。2002年MITのニール・ガーシェンフェルド教授が提唱した理念をルーツに持ちます2)。FabLabには、レーザーカッター、CNCルーター、ミリングマシン、3Dプリンター、電子工作ツールなどが設備されていて、無料あるいは非常に安価で利用できます。工業製品の簡単なプロトタイピングを行うに、まさに相応しい場になっています。
FabLabは、実は、神奈川県内にもいくつも有ります。横浜の関内3)、鎌倉4)、試験的運用中のβ版として、海老名5)、長津田6)にも有ります。ここで特にご紹介しておきたいのが、FabLab海老名βです。このFabLab海老名βは、県の公設試験場である(地独)神奈川県立産業技術総合研究所(KISTEC)内に設置されています。ここは、先ほどのFabLabみなとみらいと同じように、「学」として東京工業大学や横浜国立大学も、協力しています。まさに産学官連携の拠点として期待されます。
ラピッドプロトタイピングを目指して自社内での3Dプリンターを設備したものの、宝の持ち腐れになっている例も散見します。ラピッドプロトタイピングにこのFabLabを用いる、或いは、お客さんにFabLabでプロトタイピングして貰い、量産は自社に誘導する、等々の利用の仕方も有るのではないかと思います。
参考
1) FabLabみなとみらい(神奈川大学):https://www.kanagawa-u.ac.jp/cooperation/project/fablab/
2) FabLab Japan Network:http://fablabjapan.org/
3) FabLab関内:https://fablab-kannai.org/
4) FabLab鎌倉:https://www.fablabkamakura.com/
5) Fablab海老名β ver.KISTEC:https://fablab-ebina.com/
6) FabLab長津田β:http://fablabnagatuta.com/
(小田原コンサルティンググループ 山本亮一)
小田原箱根商工会議所メールマガジンより転載「日本の第6次エネルギー基本計画、洋上風力発電への期待」 ― 2021年12月12日 09:05
小田原コンサルティンググループの一員として
小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.425に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
折しも11月12日まで英国グラスゴーで第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が行われていました。石炭火力による発電比率が31%余り(2019年度)の日本は、石炭火力発電全廃に対して否定的な立場を取りました。記憶に新しい所だと思います。では日本は、今後のエネルギー計画をどの様に考えているのか、本年10月にまとめられた「第6次エネルギー基本計画」1)を、ご紹介したいと思います。
この第6次エネルギー基本計画で、特筆すべきは、もちろん再生可能エネルギー関連です。2019年に全発電量に占める割合が18%だったものを、2030年度野心的な見通しでは、36~38%に引き上げると書かれています。H27年の計画から見直しの程度が大きいものを上げると、もちろん太陽光発電、そして風力発電です。太陽光発電は、6.7%(2019年)を2030年に14~16%へ、H27年の目標の2倍以上に、風力発電は0.7%(2019年)を2030年に5%へ、同じく3倍に引き上げられました。
風力発電の内、フロンティアとも云うべき洋上風力発電については、R2年12月に洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会から「洋上風力産業ビジョン(第1次)(案)」2)というものが示されています。このビジョンの中で、洋上風力発電に期待する事として、経済波及効果も挙げられています。これが本稿でご紹介する所以です。この案によると、「洋上風力発電設備は、構成機器・部品点数が多く(数万点)、事業規模は数千億円。日本に潜在的サプライヤーは存在するも、現状、関連産業は国外に立地」と分析されています。
洋上風力発電施設の建設そのものは、もちろん大手ゼネコンとエンジニアリング会社が元請になります。建設には、ケーブルや変圧器などの電気系統部品、タワー設置に用いられるボルトやフランジなどの機構部品など、さまざま必要になります。二次・三次下請け、部品サプライヤーなどへ様々な仕事が回ってくるものと思われます。そのような事業を営まれている方々は、本会議所管内にも多いと思います。今後の事業領域の候補として、ウォッチされるのも良いかと思っています。
参考
1) 資源エネルギー庁HP https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/
2) 経産省HP https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/yojo_furyoku/002.html
-----------以下、寄稿内容
折しも11月12日まで英国グラスゴーで第26回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)が行われていました。石炭火力による発電比率が31%余り(2019年度)の日本は、石炭火力発電全廃に対して否定的な立場を取りました。記憶に新しい所だと思います。では日本は、今後のエネルギー計画をどの様に考えているのか、本年10月にまとめられた「第6次エネルギー基本計画」1)を、ご紹介したいと思います。
この第6次エネルギー基本計画で、特筆すべきは、もちろん再生可能エネルギー関連です。2019年に全発電量に占める割合が18%だったものを、2030年度野心的な見通しでは、36~38%に引き上げると書かれています。H27年の計画から見直しの程度が大きいものを上げると、もちろん太陽光発電、そして風力発電です。太陽光発電は、6.7%(2019年)を2030年に14~16%へ、H27年の目標の2倍以上に、風力発電は0.7%(2019年)を2030年に5%へ、同じく3倍に引き上げられました。
風力発電の内、フロンティアとも云うべき洋上風力発電については、R2年12月に洋上風力の産業競争力強化に向けた官民協議会から「洋上風力産業ビジョン(第1次)(案)」2)というものが示されています。このビジョンの中で、洋上風力発電に期待する事として、経済波及効果も挙げられています。これが本稿でご紹介する所以です。この案によると、「洋上風力発電設備は、構成機器・部品点数が多く(数万点)、事業規模は数千億円。日本に潜在的サプライヤーは存在するも、現状、関連産業は国外に立地」と分析されています。
洋上風力発電施設の建設そのものは、もちろん大手ゼネコンとエンジニアリング会社が元請になります。建設には、ケーブルや変圧器などの電気系統部品、タワー設置に用いられるボルトやフランジなどの機構部品など、さまざま必要になります。二次・三次下請け、部品サプライヤーなどへ様々な仕事が回ってくるものと思われます。そのような事業を営まれている方々は、本会議所管内にも多いと思います。今後の事業領域の候補として、ウォッチされるのも良いかと思っています。
参考
1) 資源エネルギー庁HP https://www.enecho.meti.go.jp/category/others/basic_plan/
2) 経産省HP https://www.meti.go.jp/shingikai/energy_environment/yojo_furyoku/002.html
小田原箱根商工会議所メールマガジンより転載「自然由来の新素材、セルロースナノファイバー」 ― 2021年09月04日 17:19
小田原コンサルティンググループの一員として
小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.419に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
このメルマガが発刊される翌日には、パラリンピックが開幕します。パラリンピックでは、義足や車いすなどに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの先端的新素材が多く使われています。今回は、炭素繊維に次ぐ新材料として、また脱炭素に向けた新素材として注目されているセルロースナノファイバー(CNF)についてご紹介します。
CNFは、木材などから化学的や機械的処理により取り出された直径数~数10nmの繊維状物質です。2000年代に活発に研究が行われましたが、近年、脱炭素の流れから注目度が高まってきました。CNFは、植物由来のカーボンニュートラルな素材で、鉄の5倍の強度を持っていながら1/5の軽さしかないという軽量かつ高強度、国内森林資源から調達が可能、そして、類似素材であるCFRPなどと比べて高いリサイクル性を持つ、等々の特徴を持っています1)。
現在、CNFを使った技術開発は、自動車、家電や住宅建材分野での利用を目指した、大企業を中心とした複合材料の開発が大多数です。しかし、この様な大量生産低価格を目指した開発の対局に、少量生産高価格を目指した開発も有ります。少量ではCO2削減効果は余り望めませんが、SDGsに取り組むブランディング戦略の観点から、地域産業振興の一環として行われています。過去には、CNFの持つ増粘効果を利用したお菓子(どら焼き「田子の月」2))やマウスウオッシュ・化粧品などの開発事例が有りました。
当管内は、自然が豊かで、伝統的な木工業や紙加工業も残っており、また観光業が重要産業で地域の価値向上が重要。そう考えると、前述のお菓子の例など、CNFは、「豊かな自然×先端材料」という様なブランディング戦略として価値を見出せるのではないか、と思いご紹介致しました。
1) 環境省HP: http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cnf.html
2) https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2018/news181203004302.html
小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.419に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
このメルマガが発刊される翌日には、パラリンピックが開幕します。パラリンピックでは、義足や車いすなどに炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などの先端的新素材が多く使われています。今回は、炭素繊維に次ぐ新材料として、また脱炭素に向けた新素材として注目されているセルロースナノファイバー(CNF)についてご紹介します。
CNFは、木材などから化学的や機械的処理により取り出された直径数~数10nmの繊維状物質です。2000年代に活発に研究が行われましたが、近年、脱炭素の流れから注目度が高まってきました。CNFは、植物由来のカーボンニュートラルな素材で、鉄の5倍の強度を持っていながら1/5の軽さしかないという軽量かつ高強度、国内森林資源から調達が可能、そして、類似素材であるCFRPなどと比べて高いリサイクル性を持つ、等々の特徴を持っています1)。
現在、CNFを使った技術開発は、自動車、家電や住宅建材分野での利用を目指した、大企業を中心とした複合材料の開発が大多数です。しかし、この様な大量生産低価格を目指した開発の対局に、少量生産高価格を目指した開発も有ります。少量ではCO2削減効果は余り望めませんが、SDGsに取り組むブランディング戦略の観点から、地域産業振興の一環として行われています。過去には、CNFの持つ増粘効果を利用したお菓子(どら焼き「田子の月」2))やマウスウオッシュ・化粧品などの開発事例が有りました。
当管内は、自然が豊かで、伝統的な木工業や紙加工業も残っており、また観光業が重要産業で地域の価値向上が重要。そう考えると、前述のお菓子の例など、CNFは、「豊かな自然×先端材料」という様なブランディング戦略として価値を見出せるのではないか、と思いご紹介致しました。
1) 環境省HP: http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cnf.html
2) https://www.nipponpapergroup.com/news/year/2018/news181203004302.html
「政府系スタートアップ支援機関の連携によるワンストップ相談窓口」 ― 2021年07月15日 14:29
「政府系スタートアップ支援機関の連携によるワンストップ相談窓口」というものが始まったそうです。
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP2_100063.html
(このページの真ん中より下の方です)
政府系のスタートアップ支援機関のワンストップサービスを、NEDOに窓口を作って、始めたそうです。
JST、NEDO、中小機構、JETRO、JICA、AMED、NARO、IPA、産総研
の9機関が参加しているとの事です。(もちろん各機関へ直接問い合わせを行うのも可)
問い合わせフォームは、こちらです。
https://app23.infoc.nedo.go.jp/qa/enquetes/bg4bpyn8qh71
https://www.nedo.go.jp/activities/ZZJP2_100063.html
(このページの真ん中より下の方です)
政府系のスタートアップ支援機関のワンストップサービスを、NEDOに窓口を作って、始めたそうです。
JST、NEDO、中小機構、JETRO、JICA、AMED、NARO、IPA、産総研
の9機関が参加しているとの事です。(もちろん各機関へ直接問い合わせを行うのも可)
問い合わせフォームは、こちらです。
https://app23.infoc.nedo.go.jp/qa/enquetes/bg4bpyn8qh71
JST SCORE 横浜プラットフォーム ― 2021年06月07日 10:34
私がコーディネータをやっております横浜国立大学も参画しており、横浜4大学で形成される「横浜プラットフォーム」がJSTの研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(SCORE)に、採択され
https://www.chiiki.ynu.ac.jp/news/000108.html
先日キックオフシンポジウムが行われました。
このプログラムでは、横浜市内4大学(関東学院大、神奈川大、横浜市大、横浜国大)からベンチャーを立ち上げようとする教員、学生の支援として、GAPファンドが形成されます。今の所、総予算1億2600万円)。大型案件最大10件(最大1千万円支援)、中小案件最大20件(200-500万円支援)との事です。
https://www.chiiki.ynu.ac.jp/news/000108.html
先日キックオフシンポジウムが行われました。
このプログラムでは、横浜市内4大学(関東学院大、神奈川大、横浜市大、横浜国大)からベンチャーを立ち上げようとする教員、学生の支援として、GAPファンドが形成されます。今の所、総予算1億2600万円)。大型案件最大10件(最大1千万円支援)、中小案件最大20件(200-500万円支援)との事です。
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