ものづくり白書2022~デジタルと人材育成(学び直し)2022年09月09日 13:37

小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.443に寄稿した記事です。

-----------以下、寄稿内容

 本年度のものづくり白書(以下、単に白書。)が、5月に公開されました。製造業が直面する社会情勢として、「原油高騰」、「部素材不足」、「デジタル」、「人権」、「脱炭素」が取り上げられています。ここでは、「デジタル」とそれに対応する為の人材育成(学び直し)について、ご紹介します。

 「デジタル」については、白書では、大きく3つの視点について書かれています。「IT投資する課題の変化」、「セキュリティ」、「人材の育成・確保」です。IT投資で解決したい課題は、「働き方改革(テレワーク等)」「社内コミュニケーション強化」から「ビジネスモデルの変革」へ変化してきている、との最近の特徴が述べられています。セキュリティについては、中小企業も含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策が重要性を増している一方「セキュリティ対策を特に実施していない」が約3割にも上る、との危機感が述べられています。いずれも皆様にも参考になる事と思います。

 そして「人材の育成・確保」です。実感されている通り、IT人材の不足感が非常に高まっています。白書では、その対応策が紹介されています。行政関係では、ポリテクセンターなどでのIT系の職業訓練が強化されています。コラムで、セキ技研(株)(p232)や岡安ゴム(株) (p233)などの事例が紹介されています。「グループディスカッション等でAIやIoTなどの新技術を活用するシミュレーションができたり、とても実用性がある講習だった」との感想が有ります。大学でも学び直しの講座が出来始めています。山口大学(p164)や東洋大学(p176)などの例が、掲載されています。

 これらのコラムは、実体験に即した非常に読み易いものです。コラムだけでも一度ご覧になられては如何でしょうか。人材育成の施策は、これから増々増えてくると思います。上手く活用して、自社のデジタル化を推進されるのが良いと思います。

参考
1) 2022年版ものづくり白書 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html