3Dプリンタの新しい可能性、資源循環×3Dプリンタ2022年12月13日 13:06

小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.449に寄稿した記事です。

-----------以下、寄稿内容

 先日の11月8日から13日までJIMTOFが開催され、大変なにぎわいでした。皆さんの中にも行かれた方が多いのではないでしょうか。今回のトピックの一つとして、Additive Manufacturing(AM)、いわゆる3Dプリンタのゾーンが設けられていました。3Dプリンタの新しい可能性についての講演を聞きましたので、ご紹介させて頂きます。

 3Dプリンタ技術は、金属3Dプリンタが実用域に入り、普通の工作機械の一つとしての地位を得つつあります。そんな中で、昨今の脱炭素、循環型社会という社会的要請と3Dプリンタを使ったものづくりを融合させるチャレンジが、慶応義塾大学田中浩也教授より紹介されました。1)

 田中先生の研究されている技術は、使用済みのプラスチック、例えば樹脂ハンガーや洗剤の詰め替えパック等を、3Dプリンタで使える様にマテリアルリサイクルし、高付加価値な製品にアップサイクルするという資源循環技術・システムです2)。ある材料をアップサイクルする為には、どういう製品を作るべきかという試行錯誤を行う必要が有る訳ですが、そこに3Dプリンタ技術を融合させることで、極めてスピーディーにサイクルを回す事ができるという訳です。

 田中研究室では、鎌倉を舞台に、回収ボックス自体を3Dプリンタで作って廃プラスチックを回収し、公園の遊具やベンチなどの公共物にリサイクルするなどの研究を積み重ねておられます。また折しも11月11日に、高島屋が来年の目玉福袋に3Dプリンタ住宅を販売するとの報道がありました3)。これ自体はリサイクル材を使っているものではありませんが、田中研究室がかかわっているものです。新しいワクワク感が有ります。

 当会員の皆様でも、3Dプリンタを普通に使いこなしている所が多く有ろうかと思います。現在は、自在形状の作成、短納期の試作といった使い方が多いかと思います。現在の資源循環が強く求められる社会環境下で、3Dプリンタによる新しい事業展開の可能性が有るのではないかと感じています。

参考
1) JIMTOF 2023、https://www.jimtof.org/jp/evt_AM.html#Nov11
2) MONOist記事、https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2206/07/news036.html
3) Yahooニュース、https://news.yahoo.co.jp/articles/76992ee411097d6abc33afcdc628c0138572407a