大学が地域と一緒になって地域の社会課題解決に挑む「共創の場」2024年03月24日 12:36

小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.473に寄稿した記事です。

-----------以下、寄稿内容

皆様、文科省の事業で「共創の場形成支援プログラム(以下、COI-NEXT)」1)いうのを耳にしたことが有りますでしょうか?社会課題に対し、大学、自治体、企業と一緒になって(いわゆる産学官連携)挑むプログラムです。「社会課題の解決」は必ず「経済の活性化」も目的とされます。我々にも無縁ではないと思います。今回ご紹介しようと思います。

COI-NEXTは、「人が変わる」「大学が変わる」「社会が変わる」をキャッチフレーズに、2020年からスタートした事業です。日本各地で取り組まれており、現在42拠点が採択され活動しています。その中でも、「地域」の社会課題に対峙する「地域競争分野」枠というものが有り、全国で22拠点、神奈川では2拠点が活動しています。鎌倉市と慶應義塾大学が中心となって取り組む「リスペクトでつながる「共生アップサイクル社会」共創拠点」2)(以下、慶應・鎌倉拠点)と、神奈川県と横浜国大が中心となって主に藤沢市を舞台に取り組む「“健歩快働”をまちごと科学するイノベーティブ新湘南共創拠点」3)です。

一足先に活動が進んでいる慶應・鎌倉拠点の取り組みを、少し紹介致します。この拠点では、市内ごみ焼却施設の全停止を控えた鎌倉市の、切実なごみ処理問題に取り組んでいます。いくつも先進的な取り組みを行っていますが、工業的に興味深いのは「アップサイクル」を前面に押し出している点です。回収されたごみ(食品残渣やプラ等)を価値の高いものに再利用して行く、という考え方です。例えば、コーヒーかすやカニの殻などを、セルロースナノファイバーやキチンファイバーなどに転換し、高付加価値化する技術開発に取り組んでいます。これらの技術は、我々小田原市でも即、活かして行けるものと思います。技術開発の進展に要注目です。

COI-NEXTは、今取り組んでいる対象地域の社会課題解決に留まらず、将来的には横展開されます。上記の2つの取組は、20~40万人規模の中核都市を対象としており、我々小田原市にも親和性が高いと思います。皆様の事業に活かして行けるものも有るのではないかと思っています。

参考
(1)https://www.jst.go.jp/pf/platform/index.html
(2)https://coinext.sfc.keio.ac.jp/
(3)https://www.jst.go.jp/pf/platform/file/2023/2023_kyotengaiyou_2303.pdf

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