多様性(ダイバーシティ)と経営2025年08月31日 17:29

小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.515に寄稿した記事です。

-----------以下、寄稿内容

 経産省のダイバーシティ経営の推進に関する資料が最近アップデートされました1)。また昨今、多様性について様々な意見を見かけます。そこで、今回は、ダイバーシティ(多様性)経営について取り上げようと思います(以降は、敢えて日本語の「多様性」という言葉を多用します)。

 経営における多様性の重要さは、経産省では「多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげる」と述べられています1)。世の中では、人材不足の折、多様な人材を適材適所に使いこなす、というニュアンスで多く用いられている様に感じます。しかし、多様性の重要さの本質は、イノベーションを生み出す為に必須の要素である2)という考え方に、私自身は共感します。イノベーションとは「新結合」とも言われています。「新」結合の源泉が、多様性な訳です。

 さて、ダイバーシティ経営を会社の中で現実に推進してゆく為には、「経営理念の浸透」「人事制度の設計」「現場の風土づくり」などが必要と言われています。これらを実践するには、ある程度標準化されたツールを使う事が効率的です。参考資料1)では、「中小企業のためのダイバーシティ経営」3) という資料が公開されています。これには、中小企業での取り組みの実例や、経営層から現場まで様々な層が対話して行く為のフォーマットなどが提供されています。大変参考になると思います。

 皆様ご認識の通り、現状に留まり続ける事は衰退を意味します。企業の規模に関わらず、日々イノベーション(=変革)が必要です。その為にも、多様性の重要性を考えてゆく必要が有ると思っています。

参考資料
1) 経産省「ダイバーシティ経営の推進」のページ
  https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/index.html
2) 入山章栄、「世界標準の経営理論」p346、2019年、ダイヤモンド社
3) https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/diversity/diversityleaflet.pdf