GX(グリーントランスフォーメーション)と「環境」問題 ― 2023年03月25日 17:52
小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.455に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
GXは、自然「環境」の問題ですが、同時に深刻な事業「環境」の問題となっています。この問題は、産業構造の転換が必至で、行政も政策誘導しています。事業者としては、その動きに敏感にならざるを得ません。今回は、行政系の身近な動きを2つご紹介します。
まずは一番身近な小田原市の動きです。小田原市は、昨年11月に、東京電力パワーグリッド(株)と共同で、脱炭素先行地域に採択されました1)。横浜市、川崎市に次いで県内三番目の採択で、県内では先進地域となっています。この計画では、太陽光発電の関連の施策と共に、小田原駅東口エリアにEV充電器を設置、EVカーシェアの導入など、「EV宿場町」として新しい観光振興構想が盛り込まれています。この「EV宿場町」構想は要注目です。EVの充電待ち時間の活用は未体験領域で、ここからいかに新たな人流を作り出すか、が大きなビジネスチャンスになると思います。
次は政府の動向です。昨年12月に、環境省から「GXを支える地域・くらしの脱炭素」という今後10年のビジョンが公表されました2,3)。負担感ばかり感じるGX対応ですが、この中で希望を感じさせるのが、「GXとDXの同時推進」です。GXとDXは、現状把握やそれに基づくアクションなどを行う時の方法論が良く似ています。例えば、ものづくり企業が、生産管理システムを紙とエクセルからDXする際に、同時にCO2排出量の計算(?GXの第一歩)も同時に実装してしまう、という様な先駆的な取組が考えられます。それを発展させて、その取組みノウハウ自体を商材として他企業への移転を新事業とする、なんていう夢が広がります。まさにものづくりからの事業転換です。
GXの流れは抗いようもありません。事業環境の激変を嘆いていても仕方ありません。変革が必至であれば、先手を打って、自社の事業を変革して行く事が、取るべき道かなと思っています。
参考
1 小田原市HP
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/envi/zerocarbon/topics/ki-20220418.html
2 環境省「脱炭素ポータル」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/
3「GXを支える地域・くらしの脱炭素~今後10年を見据えた取組の方向性について~」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20230209-topic-41.html
-----------以下、寄稿内容
GXは、自然「環境」の問題ですが、同時に深刻な事業「環境」の問題となっています。この問題は、産業構造の転換が必至で、行政も政策誘導しています。事業者としては、その動きに敏感にならざるを得ません。今回は、行政系の身近な動きを2つご紹介します。
まずは一番身近な小田原市の動きです。小田原市は、昨年11月に、東京電力パワーグリッド(株)と共同で、脱炭素先行地域に採択されました1)。横浜市、川崎市に次いで県内三番目の採択で、県内では先進地域となっています。この計画では、太陽光発電の関連の施策と共に、小田原駅東口エリアにEV充電器を設置、EVカーシェアの導入など、「EV宿場町」として新しい観光振興構想が盛り込まれています。この「EV宿場町」構想は要注目です。EVの充電待ち時間の活用は未体験領域で、ここからいかに新たな人流を作り出すか、が大きなビジネスチャンスになると思います。
次は政府の動向です。昨年12月に、環境省から「GXを支える地域・くらしの脱炭素」という今後10年のビジョンが公表されました2,3)。負担感ばかり感じるGX対応ですが、この中で希望を感じさせるのが、「GXとDXの同時推進」です。GXとDXは、現状把握やそれに基づくアクションなどを行う時の方法論が良く似ています。例えば、ものづくり企業が、生産管理システムを紙とエクセルからDXする際に、同時にCO2排出量の計算(?GXの第一歩)も同時に実装してしまう、という様な先駆的な取組が考えられます。それを発展させて、その取組みノウハウ自体を商材として他企業への移転を新事業とする、なんていう夢が広がります。まさにものづくりからの事業転換です。
GXの流れは抗いようもありません。事業環境の激変を嘆いていても仕方ありません。変革が必至であれば、先手を打って、自社の事業を変革して行く事が、取るべき道かなと思っています。
参考
1 小田原市HP
https://www.city.odawara.kanagawa.jp/field/envi/zerocarbon/topics/ki-20220418.html
2 環境省「脱炭素ポータル」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/
3「GXを支える地域・くらしの脱炭素~今後10年を見据えた取組の方向性について~」
https://ondankataisaku.env.go.jp/carbon_neutral/topics/20230209-topic-41.html
横浜国大が出展 ― 2023年01月22日 18:30
私が勤務しております横浜国大が、近々、以下の展示会に出展致します。
1.「LIP.横浜オープンイノベーションカンファレンスⅧ」
2023年1月25日~2月8日に、web開催されます「LIP.横浜オープンイノベーションカンファレンスⅧ」に、 出展します。
https://kiharamemorial.wixsite.com/innovation
本学ブースでは、教員の研究成果を展示します。また、本学の認定ベンチャー企業も複数出展致します。
2.「YOXO FESTIVAL 2023」
2023年1月27日~1月28日に、みなとみらい地区で開催されます「YOXO FESTIVAL 2023」に、出展します。
https://yoxo-o.jp/yoxofestival/
本学の出展場所は、クイーンズスクエア横浜クイーンモールです。
YNU研究拠点の紹介動画と、本学認定ベンチャー企業の技術シーズをご紹介します。
https://yoxo-o.jp/yoxofestival/assets/pdf/exhibitlist.pdf?=20230113
3.「テクニカルショウヨコハマ2023」
2023年2月1日~2月3日に、パシフィコ横浜で開催されます「テクニカルショウヨコハマ2023」に、出展します。
https://www.tech-yokohama.jp/
本学ブースでは、本学研究成果の社会実装例を5つ紹介します。
https://www.tech-yokohama.jp/2023/exhibitor/?detail=100161
また、かながわ産学公連携推進協議会(CUP-K)のご紹介も、本学ブース内で行います。
1.「LIP.横浜オープンイノベーションカンファレンスⅧ」
2023年1月25日~2月8日に、web開催されます「LIP.横浜オープンイノベーションカンファレンスⅧ」に、 出展します。
https://kiharamemorial.wixsite.com/innovation
本学ブースでは、教員の研究成果を展示します。また、本学の認定ベンチャー企業も複数出展致します。
2.「YOXO FESTIVAL 2023」
2023年1月27日~1月28日に、みなとみらい地区で開催されます「YOXO FESTIVAL 2023」に、出展します。
https://yoxo-o.jp/yoxofestival/
本学の出展場所は、クイーンズスクエア横浜クイーンモールです。
YNU研究拠点の紹介動画と、本学認定ベンチャー企業の技術シーズをご紹介します。
https://yoxo-o.jp/yoxofestival/assets/pdf/exhibitlist.pdf?=20230113
3.「テクニカルショウヨコハマ2023」
2023年2月1日~2月3日に、パシフィコ横浜で開催されます「テクニカルショウヨコハマ2023」に、出展します。
https://www.tech-yokohama.jp/
本学ブースでは、本学研究成果の社会実装例を5つ紹介します。
https://www.tech-yokohama.jp/2023/exhibitor/?detail=100161
また、かながわ産学公連携推進協議会(CUP-K)のご紹介も、本学ブース内で行います。
3Dプリンタの新しい可能性、資源循環×3Dプリンタ ― 2022年12月13日 13:06
小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.449に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
先日の11月8日から13日までJIMTOFが開催され、大変なにぎわいでした。皆さんの中にも行かれた方が多いのではないでしょうか。今回のトピックの一つとして、Additive Manufacturing(AM)、いわゆる3Dプリンタのゾーンが設けられていました。3Dプリンタの新しい可能性についての講演を聞きましたので、ご紹介させて頂きます。
3Dプリンタ技術は、金属3Dプリンタが実用域に入り、普通の工作機械の一つとしての地位を得つつあります。そんな中で、昨今の脱炭素、循環型社会という社会的要請と3Dプリンタを使ったものづくりを融合させるチャレンジが、慶応義塾大学田中浩也教授より紹介されました。1)
田中先生の研究されている技術は、使用済みのプラスチック、例えば樹脂ハンガーや洗剤の詰め替えパック等を、3Dプリンタで使える様にマテリアルリサイクルし、高付加価値な製品にアップサイクルするという資源循環技術・システムです2)。ある材料をアップサイクルする為には、どういう製品を作るべきかという試行錯誤を行う必要が有る訳ですが、そこに3Dプリンタ技術を融合させることで、極めてスピーディーにサイクルを回す事ができるという訳です。
田中研究室では、鎌倉を舞台に、回収ボックス自体を3Dプリンタで作って廃プラスチックを回収し、公園の遊具やベンチなどの公共物にリサイクルするなどの研究を積み重ねておられます。また折しも11月11日に、高島屋が来年の目玉福袋に3Dプリンタ住宅を販売するとの報道がありました3)。これ自体はリサイクル材を使っているものではありませんが、田中研究室がかかわっているものです。新しいワクワク感が有ります。
当会員の皆様でも、3Dプリンタを普通に使いこなしている所が多く有ろうかと思います。現在は、自在形状の作成、短納期の試作といった使い方が多いかと思います。現在の資源循環が強く求められる社会環境下で、3Dプリンタによる新しい事業展開の可能性が有るのではないかと感じています。
参考
1) JIMTOF 2023、https://www.jimtof.org/jp/evt_AM.html#Nov11
2) MONOist記事、https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2206/07/news036.html
3) Yahooニュース、https://news.yahoo.co.jp/articles/76992ee411097d6abc33afcdc628c0138572407a
-----------以下、寄稿内容
先日の11月8日から13日までJIMTOFが開催され、大変なにぎわいでした。皆さんの中にも行かれた方が多いのではないでしょうか。今回のトピックの一つとして、Additive Manufacturing(AM)、いわゆる3Dプリンタのゾーンが設けられていました。3Dプリンタの新しい可能性についての講演を聞きましたので、ご紹介させて頂きます。
3Dプリンタ技術は、金属3Dプリンタが実用域に入り、普通の工作機械の一つとしての地位を得つつあります。そんな中で、昨今の脱炭素、循環型社会という社会的要請と3Dプリンタを使ったものづくりを融合させるチャレンジが、慶応義塾大学田中浩也教授より紹介されました。1)
田中先生の研究されている技術は、使用済みのプラスチック、例えば樹脂ハンガーや洗剤の詰め替えパック等を、3Dプリンタで使える様にマテリアルリサイクルし、高付加価値な製品にアップサイクルするという資源循環技術・システムです2)。ある材料をアップサイクルする為には、どういう製品を作るべきかという試行錯誤を行う必要が有る訳ですが、そこに3Dプリンタ技術を融合させることで、極めてスピーディーにサイクルを回す事ができるという訳です。
田中研究室では、鎌倉を舞台に、回収ボックス自体を3Dプリンタで作って廃プラスチックを回収し、公園の遊具やベンチなどの公共物にリサイクルするなどの研究を積み重ねておられます。また折しも11月11日に、高島屋が来年の目玉福袋に3Dプリンタ住宅を販売するとの報道がありました3)。これ自体はリサイクル材を使っているものではありませんが、田中研究室がかかわっているものです。新しいワクワク感が有ります。
当会員の皆様でも、3Dプリンタを普通に使いこなしている所が多く有ろうかと思います。現在は、自在形状の作成、短納期の試作といった使い方が多いかと思います。現在の資源循環が強く求められる社会環境下で、3Dプリンタによる新しい事業展開の可能性が有るのではないかと感じています。
参考
1) JIMTOF 2023、https://www.jimtof.org/jp/evt_AM.html#Nov11
2) MONOist記事、https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2206/07/news036.html
3) Yahooニュース、https://news.yahoo.co.jp/articles/76992ee411097d6abc33afcdc628c0138572407a
ものづくり白書2022~デジタルと人材育成(学び直し) ― 2022年09月09日 13:37
小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.443に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
本年度のものづくり白書(以下、単に白書。)が、5月に公開されました。製造業が直面する社会情勢として、「原油高騰」、「部素材不足」、「デジタル」、「人権」、「脱炭素」が取り上げられています。ここでは、「デジタル」とそれに対応する為の人材育成(学び直し)について、ご紹介します。
「デジタル」については、白書では、大きく3つの視点について書かれています。「IT投資する課題の変化」、「セキュリティ」、「人材の育成・確保」です。IT投資で解決したい課題は、「働き方改革(テレワーク等)」「社内コミュニケーション強化」から「ビジネスモデルの変革」へ変化してきている、との最近の特徴が述べられています。セキュリティについては、中小企業も含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策が重要性を増している一方「セキュリティ対策を特に実施していない」が約3割にも上る、との危機感が述べられています。いずれも皆様にも参考になる事と思います。
そして「人材の育成・確保」です。実感されている通り、IT人材の不足感が非常に高まっています。白書では、その対応策が紹介されています。行政関係では、ポリテクセンターなどでのIT系の職業訓練が強化されています。コラムで、セキ技研(株)(p232)や岡安ゴム(株) (p233)などの事例が紹介されています。「グループディスカッション等でAIやIoTなどの新技術を活用するシミュレーションができたり、とても実用性がある講習だった」との感想が有ります。大学でも学び直しの講座が出来始めています。山口大学(p164)や東洋大学(p176)などの例が、掲載されています。
これらのコラムは、実体験に即した非常に読み易いものです。コラムだけでも一度ご覧になられては如何でしょうか。人材育成の施策は、これから増々増えてくると思います。上手く活用して、自社のデジタル化を推進されるのが良いと思います。
参考
1) 2022年版ものづくり白書 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html
-----------以下、寄稿内容
本年度のものづくり白書(以下、単に白書。)が、5月に公開されました。製造業が直面する社会情勢として、「原油高騰」、「部素材不足」、「デジタル」、「人権」、「脱炭素」が取り上げられています。ここでは、「デジタル」とそれに対応する為の人材育成(学び直し)について、ご紹介します。
「デジタル」については、白書では、大きく3つの視点について書かれています。「IT投資する課題の変化」、「セキュリティ」、「人材の育成・確保」です。IT投資で解決したい課題は、「働き方改革(テレワーク等)」「社内コミュニケーション強化」から「ビジネスモデルの変革」へ変化してきている、との最近の特徴が述べられています。セキュリティについては、中小企業も含めたサプライチェーン全体のサイバーセキュリティ対策が重要性を増している一方「セキュリティ対策を特に実施していない」が約3割にも上る、との危機感が述べられています。いずれも皆様にも参考になる事と思います。
そして「人材の育成・確保」です。実感されている通り、IT人材の不足感が非常に高まっています。白書では、その対応策が紹介されています。行政関係では、ポリテクセンターなどでのIT系の職業訓練が強化されています。コラムで、セキ技研(株)(p232)や岡安ゴム(株) (p233)などの事例が紹介されています。「グループディスカッション等でAIやIoTなどの新技術を活用するシミュレーションができたり、とても実用性がある講習だった」との感想が有ります。大学でも学び直しの講座が出来始めています。山口大学(p164)や東洋大学(p176)などの例が、掲載されています。
これらのコラムは、実体験に即した非常に読み易いものです。コラムだけでも一度ご覧になられては如何でしょうか。人材育成の施策は、これから増々増えてくると思います。上手く活用して、自社のデジタル化を推進されるのが良いと思います。
参考
1) 2022年版ものづくり白書 https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2022/index.html
小田原箱根商工会議所メールマガジンより転載「経営革新計画事例「製造コスト低減のための主力機シリーズ化・標準機づくりとその生産体制の改良」(株)吉野機械製作所」 ― 2022年05月15日 17:36
小田原コンサルティンググループの一員として 小田原箱根商工会議所メールマガジンVol.436に寄稿した記事です。
-----------以下、寄稿内容
吉野機械製作所は、鍛圧機械やその関連装置の製造販売を行う会社です。大手との競争下、オーダーメードの専用機や自動化ラインの受注比率が徐々に高くなり、納品が完了しなければ採算が掴めないという様なリスクの高い経営状況に陥りました。二代目の吉野有信社長は、柱となる独自製品を持ち、安定的な企業体質に改革したいと考え、経営革新計画に取り組みました。
経営革新計画には、平成21年9月から平成25年1月までの5年計画で、取り組みました。申請時に設定した具体的な目標は以下の5項目です。
(1)汎用性のある開発製品及びリピート機の生産比率を高める。
(2)外注加工費率を下げ、内製比率を高める。
(3)社内加工設備の更新及び増設
(4)組立作業の効率化
(5)ユーザー引合いに対して、標準機及びリピート機を充てるようにする営業戦略をとる。
これらの目標の下、共有部品や共有ユニットをコアにした主力機のシリーズ化と標準機づくりを推進し、製造コストの低減と大幅な納期短縮を目指しました。
経営革新計画に取り組んだ成果として、標準機として開発したACサーボベンダー装置が展示会に出展した事をきっかけに大手ユーザーから受注、即戦力経験者の増強により外注費軽減を実現、あるいはベンダー装置本体の共通化を図り原価低減を実現、などが達成できたそうです。数字的には、売上高伸び率4.2%、経常利益伸び率約16.7%、付加価値額伸び率94.8%、一人当たり付加価値額伸び率80.9%、という極めて良好な成果を上げました。
吉野有信社長は、この経営革新計画の後、自らの役目を次世代への引き継ぎと考え、将来に向けて人材の確保、効率の良い企業体質への転換、あるいは社員全員が経営参画意識を持つ、等々の取り組みを行っているそうです。
参考 チャレンジ企業千葉~経営革新計画事例~
https://www.ccjc-net.or.jp/~support/service/kakushin/jirei/
-----------以下、寄稿内容
吉野機械製作所は、鍛圧機械やその関連装置の製造販売を行う会社です。大手との競争下、オーダーメードの専用機や自動化ラインの受注比率が徐々に高くなり、納品が完了しなければ採算が掴めないという様なリスクの高い経営状況に陥りました。二代目の吉野有信社長は、柱となる独自製品を持ち、安定的な企業体質に改革したいと考え、経営革新計画に取り組みました。
経営革新計画には、平成21年9月から平成25年1月までの5年計画で、取り組みました。申請時に設定した具体的な目標は以下の5項目です。
(1)汎用性のある開発製品及びリピート機の生産比率を高める。
(2)外注加工費率を下げ、内製比率を高める。
(3)社内加工設備の更新及び増設
(4)組立作業の効率化
(5)ユーザー引合いに対して、標準機及びリピート機を充てるようにする営業戦略をとる。
これらの目標の下、共有部品や共有ユニットをコアにした主力機のシリーズ化と標準機づくりを推進し、製造コストの低減と大幅な納期短縮を目指しました。
経営革新計画に取り組んだ成果として、標準機として開発したACサーボベンダー装置が展示会に出展した事をきっかけに大手ユーザーから受注、即戦力経験者の増強により外注費軽減を実現、あるいはベンダー装置本体の共通化を図り原価低減を実現、などが達成できたそうです。数字的には、売上高伸び率4.2%、経常利益伸び率約16.7%、付加価値額伸び率94.8%、一人当たり付加価値額伸び率80.9%、という極めて良好な成果を上げました。
吉野有信社長は、この経営革新計画の後、自らの役目を次世代への引き継ぎと考え、将来に向けて人材の確保、効率の良い企業体質への転換、あるいは社員全員が経営参画意識を持つ、等々の取り組みを行っているそうです。
参考 チャレンジ企業千葉~経営革新計画事例~
https://www.ccjc-net.or.jp/~support/service/kakushin/jirei/
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